最高裁判所第三小法廷 昭和39(オ)312 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人辻丸勇次の上告理由一について。
原判決が、本件婚姻破綻の責は主として上告人においてこれを負うべきであり、
本件離婚は同人の不当な強要によるものであると断ぜざるをえないとしたことは、
原審認定判示の事実関係のもとでは首肯できなくはない。原判決には、理由そごそ
の他所論の違法は存しない。条理違反をいう所論は、原審の認定にそわない事実を
前提として原判決を非難するにすぎない。よつて、論旨は、すべて採用できない。
同二について。
所論は、本件離婚について慰籍料の話などは初めからなかつたが上告人が世間の
慣行により自発的に被上告人に対し慰籍料を支払うことにした旨、右慰籍料の額は
双方合意のうえ金三万円と定められ、今後このことについて一切異議を申し立てな
いとの書面が被上告人の真意にもとづいて上告人に差し入れられた旨主張するが、
右は、乙第一号証の差入れにより控訴人(被上告人)が一切の請求権を放棄したも
のとは認められないとした原審の認定にそわない主張であり、原判決の条理違反、
契約自由の原則違反をいう点は、すべて原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実
の認定を非難するに帰着し、上告理由として採用できないし、違憲の論旨は、いず
れも右条理、原則の違反を前提とするものと解せられるから、前提たる主張の失当
なことが右述のとおりである以上、すべて採用の余地がない。よつて、民訴法四〇
一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 田 中 二 郎
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裁判官 石 坂 修 一
裁判官 五 鬼 上 堅 磐
裁判官 横 田 正 俊
裁判官 柏 原 語 六
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